熱い想いだけじゃない!ITを駆使し効率良く事業を行う出前館営業マンの姿勢
“新規営業”と聞くと泥臭さや熱血漢が活躍するイメージを持つ方が多いかもしれません。実際、粘り強い交渉の末に獲得できたというケースも多く存在します。しかしながら出前館営業部は、泥臭さの中にもITを駆使し効率よく事業を行っています。熱さとITの二刀流で、出前館営業マンはどのように活躍しているのでしょうか? 西日本グループ所属の山下慎司に話を聞きました。
自己紹介
―まずは簡単に自己紹介をお願いします。
西日本グループの山下慎司です。大学卒業後に新卒で出前館へ入社し、今年で6年目になります。学生時代に長く飲食店でアルバイトをしていた経験があり、飲食店の力になる仕事をしたいと思い入社しました。飲食店が好きですし、食べることも大好きです。
私は大阪所属ですが、1年のうちで大阪にいることはほとんどありません。北海道、名古屋、福岡、東京などへ出張を繰り返し、新しくできるエリアで新規営業をしてきました。働く場所にこだわりはなく、人手が足りないとか、競合に負けているとか、そういう熱い状況のほうが燃えますね。
事前調査が新規営業のコツの一つ
―新規営業を行う上で工夫していることとは?
最初のアプローチは電話です。アポ電をただ行うだけじゃなくて、いかに相手に興味を持ってもらうかが大切。それぞれのお店によって事情や状況が異なるので、話し方も工夫しています。競合サービスを利用していたり、テイクアウトをやっていたり、そういう情報を事前に調べた上で、そのお店に対してどういうトークをするかをイメージし架電しています。愚直に同じトークを繰り返すよりも、1店舗ごとにアプローチを変えて、それぞれのお店に合ったトークをすることで、最初の手ごたえが違ってきます。
アポがとれて会う相手の名前がわかったら、その方の人となりを知るためにお店のFacebookやブログ、インタビューを受けている記事などを事前に読んでおきます。伺う前にちらっと見るだけでも、商談中の温度感が違うと思います。
先方担当者が従業員だった場合は、オーナーや店長に話をあげてもらう必要があるので、出前館の仕組みやお店にとってのメリットをわかりやすくペラ1枚にするなど、従業員の方が動きやすいように資料を作ります。オーナーや店長などの決裁者と話す段階では、いかにメリットがあるかをしっかりと伝えることはもちろん、職人気質な感じの方であれば硬めに話してみたり、フランクな感じであれば、「よく飲みにいくんですか?」といったアイスブレイクを多めに加えてみたり。相手がどんな人なのかちゃんと興味を持って、臨んでいます。
―契約に結びつけるための押しの一手はありますか?
出前館の商材は、悩む余地がないくらい良い商材です。初期費用が莫大にかかるわけでもない。1日も早く始めたほうがいいので、相手が決裁者であれば「どうするかすぐに決めてください」と伝えて、その場でクロージングします。「来週連絡しますね」と言っても、時間が経つほどにお店の方は忘れてしまいますし、興味も薄れてしまうんですよね。「やるって言うまで帰らないつもりです」くらいの勢いで粘り強く提案します。迷惑な商材だったら本当に迷惑だと思いますけど(笑) 出前館のサービスが良いものだからこそ、自信を持っておすすめできますね。
“熱さ”も武器!懐に飛び込み粘り強く交渉
―持ち前の“熱さ”をフル稼働して獲得に至ったエピソードをお聞かせください。
絶対に獲得しないといけない状況で、まずはそのお店で食事をすることからはじめ、直筆の手紙を書き、5時間の商談の末に交渉成功に至ったという経験があります。そのお店は、もともと出前館を利用してくださっていたのですが、配達員不足や過去のシステムであるFAX注文の使いにくさに課題があったことで、一度退会されていたんです。
そんな経緯があるものだから簡単にアポがとれない。何度アポ電をしても、店長に全然つなげてもらえない。なので、店長がいる日があれば、目の前で食事をして、手紙を置いて帰ろうと。出前館の人間だとわかってもらいたかったので、名刺の裏にメッセージを書きました。「美味しかったです。ぜひこのお料理を出前館でまたお届けさせていただきたいです。一度でいいので会わせてください。ご挨拶させてください。またご連絡します」。次の日に朝一番で電話をしたところ、「まあ話だけは聞こうか」という感じで会ってくれることになりました。
実際に会ってみると、すごくお話が好きな方だとわかったので、いったん聞き役に徹して、リアクションをオーバーにとるなど、話していて楽しくなるように努力しました。相手をより知るために、たくさん質問もしました。懐に飛び込んでいく感じですね。そのうち趣味の話になり、相手も気の張りがなくなっているのかなと。距離感が縮まっていくのを感じました。気づいたら5時間くらい経っていました(笑) その後、注文はタブレット内のアプリで受けられるようになり、格段に使いやすくなったこと、配達員不足などの問題も解消されたこと、出前館も進化しているという提案をして、再加盟してくれることになりました。
泥臭さの中にもITを駆使して効率的な事業遂行を
―営業活動の中で、ITをどのように活用していますか?
インターネット検索を使ってお店や会う人についてしっかり調べ、理解に努めるのがまず一つ。もう一つは、営業というよりはコンサルに近い形で、出前館が保持する膨大なデータをうまく活用しています。
例えばキャンペーン提案をする際、1店舗につき1万円を払って参加してくださいというだけでは参加は難しい。お店としては、どれくらい注文が入るのかわからないし、1万円を払って利益に繋がるか不安ですよね。そこで、出前館が蓄積しているデータを元に、どれくらい売上が伸ばせるのか具体的な数字を出した上でプレゼンをします。
データに基づいて、同じエリア、ジャンル、規模感を掛け合わせると、これだけ伸びますと。想定できる数字を具体的にお伝えしたほうが、納得もしていただきやすい。お店によっては2倍どころか10倍まで伸びるような成功事例もあるので、丁寧にシミュレーションして出しています。漠然と「キャンペーンに参加してください」ではなく、「ああ、これくらい売上が立つんだな」というのが、しっかりと腑に落ちてから参加していただく形ですね。
―全国の営業所で全てのデータを見られるのでしょうか?
全店の実績がデイリーレポートという形で発行されており、1日ごとに見ることができます。データを日々確認することで今日はちょっとへこんでいるけど雨が降ったからかとか、キャンペーンを実施して売上が伸びたなど、状況を逐一把握するのに役立ちます。店舗の稼働率も見られるので、「昨日ストップにしていましたが、何かありましたか?」と一報を入れることもあります。すべてのお店に対して、店舗名で検索すれば最新のデータが見られ、活用できる環境であるのはありがたいですね。
また、新規獲得やキャンペーンの提案など、各地点の営業所でうまくいった事例を共有する場も週に一度設けています。北海道でうまくいったものを福岡でもやってみよう、福岡でうまくいったものを、次は仙台でやってみようみたいな感じで、全営業所が手を取り合い、ナレッジやノウハウを共有しながらやっています。限られた人数だとアイディアにも限界があるので、他の営業所のメンバーがどう稼働しているのかというのがすごく参考になるんです。それをデータで見られるというのは、とても貴重だと思います。
今までもこれからも、テコ入れが必要な熱いエリアで尽力したい
―現在はどのような案件に携わっていますか?また、今後の展望をお聞かせください。
2021年前半は、本部長にどこが一番伸びしろがあるかを聞いたところ福岡だったので、そこに応募しました。福岡の営業所はちょっと変わっていて、出前館メンバーと協力会社のメンバーが連携してお店のコンサルや新規開拓を行っています。福岡市と同時に、まだ競合が進出していない北九州市という重要なエリアも開拓し、少し落ち着いたところです。
2021年後半は、本部長直々に指名をいただきまして、今は期間限定で東京に戻ってきている状況です。自分としては、人手が足りていないとか競合に及んでいないとか、テコ入れが必要な熱いエリアに行きたい気持ちがあるので、今後は東京に注力していきたいと思っています。
最後に
―出前館の営業マンになろうと考えている方へ一言メッセージをお願いします。
デリバリー市場は今大きく変化し、伸びている市場です。私が入社した6年前とは比べものにならないし、規模も大きい。従業員もどんどん増えていって、すごく成長できる環境だなと感じています。自身を成長させたい、急成長している市場で働きたいという人は、ぜひチャレンジしてほしいです。
また、出前館は今、地方営業所にすごく力を入れているので、地元に根付いて働けるというのも魅力です。例えば今は東京にいるけど福岡に戻って働きたいとか、福岡にいるけどこの期間だけ東京に行きたいとか、若いうちにしかできないようなアグレッシブな働き方も叶います。営業所が様々な場所にあるので、場所にとらわれず経験を積みたい人にも持ってこいの環境です。自分がやりたいなと思っている場所の営業所に、ぜひ応募してもらえたらと思います。