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【DeDirect開発秘話】他部署と連携しサービス作りにも関われるのが出前館営業の醍醐味!

出前館の営業は決まったサービスを決まった提案方法で売る単なる物売りではなく、エンジニアや企画者と連携しながらサービス作りにも関わる企画営業の仕事も担うことがあります。先日リリースされたばかりの新サービス「DeDirect」がその一例です。

企画、エンジニア、営業が話し合いを重ね推し進めた同プロジェクトについて、DeDirect営業責任者 大枝千鶴に話を聞きました。

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<プロフィール>

大枝千鶴

新卒で楽天株式会社に入社し、eコマース広告事業部で物販、総合通販、化粧品などの既存営業職を経て、2017年よりLINE株式会社に入社。eコマース事業の立ち上げに営業部門担当として従事し、2021年より株式会社出前館 執行役員を務める。

自社専用のデリバリーサイトを手軽に保有し運用できる「DeDirect」

―なぜ「DeDirect」を作ることになったのですか?

“自社専用のデリバリーサイト”を手軽に保有して、運用してほしかったからです。

プラットフォームを利用してデリバリーを始める、というのは2020年からだいぶ浸透してきました。「デリバリーで何か頼もう」と出前館のサイトやアプリを開いたユーザーに対して、出前館内で選んでもらうという導線がメインだったので、加盟店が8万店舗まで増えたところで、どうしても有名店や人気店にお客様が流れてしまうという現実がありました。

もう1つ大きな導線として、普段イートインで食べに来てくれるお客様に「デリバリーもやっています、家でも食べられますよ」と、お店自ら宣伝し、集客する方法があります。実際にデリバリー売上が高いお店では、出前館上でキャンペーンを積極的に行うことに加えて、「デリバリーはじめました!」というチラシを配布したり、自社サイトに大きなバナーを掲載し、出前館で注文できることを宣伝してくれていました。

ただし、チラシやバナーで出前館へ誘導しても、お客様が出前館のアプリをダウンロードし、出前館内でそのお店を検索して見つけださないといけない。また、出前館経由でオーダーしてくれたお客様に対しては、メール送付や次回使えるクーポンを送るなど再購入を促す方法がない。店頭では当たり前に実施している再来店を促して常連にするというお店の努力を、プラットフォーム上だとイマイチ思い通りにできなかった。でも、自社サイトであれば、注文と会員登録がセットなので、自社サイトの会員に対してメルマガを送る等の再購入を促す施策ができます。

「デリバリーでも頼めます!」と宣伝をした時の導線改善、リテンション施策の2点を実現する自社サイトを、より多くの加盟店に気軽に保有してほしいと思ったのが、「DeDirect」を作った理由です。

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スピード感重視の中、各セクションでディスカッションを重ねる

―「DeDirect」の企画・開発はどのように進めたのですか?

もともとあったASPApplication Service Provider)を改修する形で進めました。加盟店自らが集客を頑張ってもらうために、ブラッシュアップ、リブランディングし、販売も強化していこうと。改修点やデザインをどうするかについては企画・エンジニアに頼る部分ですが、営業戦略として最も重要なのは、メインの販売ターゲット、価格、拡販スケジュールとプロモーションです。

初動は企画1名、エンジニア1名、営業2名のミニマムなチームで稼働していたので、本当にフットワークが軽く、横の連携も細かく取りながら進めました。こういう“ミニマムな「プロジェクトチーム」の動き方でスピード重視”という進め方は、刺激的で面白いと思います。

事業計画も相談しながら作り、各自が担当分野でコミットする。強固な協力体制ですが、同時に健全なプレッシャーもあります。営業が先行して販売強化するので、エンジニアは必ずローンチを間に合わせなきゃいけない、というようなプレッシャーを楽しみながら進めました。

―ディスカッションで各セクションの意見がぶつかることもあるのでは?

ASPの特性として、1ブランドに1つしか導入できないという側面があります。フードデリバリーだけなら、タブレットが置ける限りいくつものサービスを同時に利用できる。しかし、自社サイトは1つのお店で1つに集約する必要がある。実際に仙台で競合企業が展開し始めていたので、ローンチまでのスピード感が重要でした。

早さを重視すると、本当は100点のものを出したいけど、どうしても諦めるしかない部分が出てきます。どこが譲れなくて、どこを後からの改善にするのか。企画、エンジニア、営業、必ずその3方向でしっかり話し合うことを意識しています。各セクションそれぞれの立場からの意見を出し、密にディスカッションして意思決定していくというのが、プロジェクトとして特徴的だと思います。

例えばプロダクトだけが強いと営業はただ売ってくるだけの人みたいになってしまいますが、私たちは決してそういう立場では働いていません。ただ営業するだけではなく、意見も言うし聞いてもらえる環境です。思うことをしっかり言える相手だと信頼できるメンバーだからこそですね。加盟店のためにしっかりと主張するのが営業部であるという意識でやっています。

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社内外への「DeDirect」の啓蒙が営業セクションの大きな壁だった

―苦労した点はありますか?

ここ1年くらいでデリバリーを始めたお店が多いので、お店に対して自社サイトの有用性を啓蒙する自社サイトを持ちたいと思ってもらうDeDirectなら簡単に持つことができます!」という文脈で伝えなければいけないというのが、ただ単にキャンペーンなどを提案するのとは違った難しさがありました。

それは社内も同じです。営業は100名程いますが、数年前まで売っていた旧ASPの販売経験があるのは、本部長とベテラン社員1名くらいでした。急拡大した組織なので、そもそも半数が出前館の営業マンとしても初心者で、新規加盟を獲得する営業をメインにやってきたメンバーが多い中で、「自社サイトを持つべきだという啓蒙を私たちがするんだ」というところの腹落ちがなかなか出来ず、加盟店に刺さる営業トークを営業メンバーに実装するまでが大変でした。

1か月半くらいかけて何度も勉強会を行い、丁寧なロープレを何十回と重ね、全員が腹落ちして提案できるようになるために、ありとあらゆる工夫をしました。ロープレを重ねる中で、提案資料も加盟店に伝わりやすいものにブラッシュアップしていき、営業の仕方も進み具合を加味してどんどん改善していきました。

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「DeDirect」の今後と出前館営業マンに求められること

―今後の展望をお聞かせください。

DeDirect」はデリバリーだけでなく、イートイン予約・テイクアウトも実装予定です。またLINE連携など、加盟店が自分たちのお客様とのコミュニケーションをより売上につなげていく、というところを提案し、加盟店と本当の意味で並走しパートナーになることができると思います。変化・成長著しいサービスを扱う営業だというだけでなく、加盟店にしっかりと向き合いコンサル型営業を行う事で、頼りになるパートナーになることができる!というのも出前館の営業の魅力です。

出前館への出店提案、出店に際してメニュー構成やキャンペーンの提案など出前館をうまく使って売上を上げるコンサルティング、「DeDirect」=自社サイトへの参画や活用方法の提案とコンサルティング。さらに、「DeDirect」に今後実装されるイートイン予約機能やLINE連携を活用して売上を上げるコンサルティング。――純粋に、提案するものがたくさんある状況です。

プロジェクトメンバーとして私のように動く機会もあるでしょうし、一営業担当としてただ単に「出前館」を提案するだけでなく、新しいプロダクトの営業もすることになるので、おそらく単一商材を売り続けるということはないと思います。

今後、出前館営業メンバーには、「フードテックマーケティング」を総合的にコンサルできる人材になっていってほしいと思っています。総合的にコンサルティングができるようになることは、市場価値の高い営業になることとイコールですし、必然的に数字を見て、分析をして、その加盟店のことを考えて提案できるようなスキルが身につくので、一営業マンとしても、出前館はものすごくパワーアップできる環境だと思います。

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